混乱のカブール空港 トルコ政府、運営引き受け断念へ
アフガニスタンでガニ政権が崩壊し、混乱が広がった首都カブールの空港をめぐり、同空港の警備や運営を引き受ける意向を示していたトルコが、断念する意向を示した。ロイター通信が16日、トルコ政府関係者の話として伝えた。
北大西洋条約機構(NATO)で米国の同盟国であるトルコは、米軍のアフガン撤退表明後、外交関係者らが安全に出入りできるよう空港運営をめぐってバイデン政権と条件面の交渉を重ねてきた。だが、武装勢力タリバーンがほぼ全土を制圧したことで、方針を転換したとみられる。ただ、地元メディアは治安当局者が「まだそのような決定は下されていない」と話したと伝えた。
一方、政府関係者の一人はロイター通信に、「タリバーンから要請があれば、トルコは安全面、技術面での支援をできる」とも述べたという。タリバーンはトルコが空港運営にあたることについてこれまで、「撤退すべきだ」と否定的だった。
トルコは約600人の兵士をアフガンに駐留させているとみられる。カブールにあるトルコ大使館の業務についてはチャブシュオール外相が15日、「困難に対応するすべての準備をした」と述べ、継続する方針を示している。また、エルドアン大統領は11日、自らタリバーン幹部と会談をする用意があると述べていた。
カブールの空港運営をめぐっては、冷え込んだ米トルコ関係を改善するきっかけになるとみられていた。(高野裕介)
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