首相会見は気の抜けた炭酸水か 「というふうに」連発

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編集委員・高橋純子
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記者コラム「多事奏論

 「選手を迷わせるようなことは言ってはいけませんね」。11日朝、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」で、気象キャスターの朝岡覚が、気象予報士の主人公・永浦百音を諭し始めた。

 「極端な話、私たちは晴れと雨、両方言っておけば予報がはずれることはない。責任も取らされません。でもそれでは情報を受け取った人は動きようがない。私たちは今の状況を徹底的に分析して、みんなが確実に動き出せるように、『今はこうだ』と結論をひとつにしぼって提示しなければ」

 朝岡さん、いますぐ菅義偉首相に蛇腹の手紙を書いてはくれまいか。「人流は減っている」「ワクチンの効果は出ている」と強調せずにはおられず、現状は危機的であるという肝心かなめのメッセージをぐずぐずにしてしまっている首相に。読み飛ばされるといけないから、のりづけには十分注意していただくとして。

 先月30日の首相会見で私が少しく驚いたのは、同席した政府分科会の尾身茂会長が、国民と危機感を共有するためになすべきことを問われ、「ひとつは言葉ですね」と答えたことだ。コロナ禍で多くの人が抱いている複雑な気持ちに寄り添ったメッセージを、政府と自治体一体で出して――。

 会見録で首相の発言を読み返…

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