その尾びれ「宝石のよう」 高知沖で発見の新種ハゼ

清野貴幸
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 高知県大月町の柏島沖で見つかったハゼが新種とわかった。宝石を連想させる特徴的な尾びれの模様から、発見者たちは「ホウセキイレズミハゼ」と命名した。

 発表したのは、東京大総合研究博物館の小枝圭太特任助教らの研究グループ。論文が日本魚類学会の英文誌オンライン版に掲載された。小枝氏は4月まで公益財団法人「黒潮生物研究所」(大月町)の研究員だった。

 新種のハゼは、黒潮生物研究所が中心となって実施している宝石サンゴの種苗放流事業で偶然見つかった。昨年1月、柏島沖の水深100メートルの海底に置いた人工漁礁を引き揚げると、漁礁の中に詰め込んでいるカキ殻の間から1匹が生きて見つかった。

 体長約3センチ。尾びれの上下に黒い斑紋が一つずつあり、一目で特徴的だったことから研究所、高知大と共同研究を進め、新種と分かった。

 小枝特任助教によると、今回の新種が属するイレズミハゼ属の中で、尾びれに黒い斑紋がある種は他に知られていないという。体のしま模様の数と形状、うろこの数とひれにある節の数の組み合わせなど従来種にない特徴があるという。

 100メートルの深場で見つかったことも興味深いという。イレズミハゼ属は体長5センチ未満の小型種が多く、主に浅場のサンゴ礁などに生息する。水深100メートルは光が届かないため薄暗く、ダイビングによる調査が難しい一方、潜水艇には浅すぎるため、「トワイライトゾーン」と呼ばれて研究が進んでいないという。

 小枝特任助教によると、ハゼは海水魚の中で最も多様なグループの一つで2千種以上が知られている。「今回のようにぱっと見て分かる新種が見つかるくらいなので、トワイライトゾーンにはまだ知られていない種がたくさんいるのではないか」と期待を寄せる。(清野貴幸)