半世紀前の記録に並ぶ 阪神・佐藤輝明が見据える未来

内田快
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 (17日、プロ野球 阪神タイガース6―2横浜DeNAベイスターズ)

 阪神・佐藤輝明が記録を作り続けている。

 六回の第3打席、DeNA・浜口遥大(はるひろ)の内角低めへの直球を力強くたたいた。打球はピンポン球のように左中間スタンドへ飛んでいった。このソロで、1969年に田淵幸一さんが打った22本の球団新人記録に並び、「すごいホームランバッター。そういう方に並べるのはうれしいです」と語った。

 その前、三回の第2打席では、内角高めの厳しい直球を右越えの21号ソロ。実は、46年のセネタース・大下弘さんの20本という新人左打者記録を塗り替えたばかりだった。

 半世紀以上前の記録を、次々と達成していく22歳に、田淵さんは「すぐに並ばれると思っていた。たいしたもの。35本、40本を目指してほしい」と賛辞を送った。

 前半戦で20本塁打を積み上げる一方で、高低を使った攻めには苦しんできた。三振も新人記録を13日に更新した。ただ、「どうやったらホームランを打てるか」と考え、オールスター後に構えをマイナーチェンジした。頭の上に出るほど高かった手の位置を少し下げた。これで高低に対応しやすくなり、この日の2発につながった。

 記録更新の話題を振られても、落ち着いた口調には高揚感はさほど感じられない。「まだまだだなと思う部分もある。まだ試合も残っているので積み上げていきたい」。ホームランバッターとして名をはせた田淵さん(通算474本)、大下さん(同201本)の域を目指して――。新人記録は、佐藤輝にとっては途上にすぎない。(内田快)