第2回無農薬・無肥料の野菜づくり、収量は?試行錯誤が続く 

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小川智
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自然栽培の行方②(全4回)

 農薬や肥料を使わず、土と作物、共存する生物が持つ力を生かした「自然栽培」。全国の農協(JA)で唯一、その方法で野菜づくりを指導しているのが、世界農業遺産に認定された能登半島にある「JAはくい」(石川県羽咋(はくい)市)だ。だが、米栽培に比べて野菜の収量は少なく、試行錯誤が続いている。

 6月12日、JAはくいの自然栽培の方式で野菜や米の育て方を学ぶ「のと里山農業塾」が羽咋市で開かれ、県内外から22人が受講した。

写真・図版
「のと里山農業塾」の開校時から講師を務める廣和仁さん(中央)がキュウリの苗植えを指導した。「自然栽培では、肥料がない分、苗は根をしっかり張ってから葉や茎を伸ばすので、成長が遅くてもあせらないでください。苗を植えたら雨水が根元にあつまるようにくぼみをつけるように」=2020年7月25日、石川県羽咋市、小川智撮影

 この日は夏野菜の栽培管理などを学んだ。自然栽培の作物は一見成長が遅い。それは肥料を与えないため、根を伸ばして自ら養分を確保できるようにした後、茎や葉を大きくすることが理由だ。また、ナスやキュウリなどの苗の間にマメ科の大豆などを植えると、養分となる空気中の窒素を土中に取り込みやすくなる――。こうした内容が説明された。

 同塾が始まったのは、無農薬・無肥料でリンゴ栽培に成功した木村秋則さん=青森県弘前市=の講演会が2010年に羽咋市内で開かれたことが端緒だ。当時のJAはくいの組合長らが自然栽培の魅力と可能性に期待し、前身の「木村秋則自然栽培実践塾」を同年末に開校。3年後に「のと里山農業塾」へと名前を変えた。月1回ずつ年12回、座学と田んぼでの実習に取り組んできた。これまでに県内外から計570人が学んだ。

 だが、進めてきた自然栽培での野菜づくりは苦戦している。

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