ドイツ、アフガンへの援助停止へ「1セントも送らない」

アフガニスタン情勢

ベルリン=野島淳、バンコク=乗京真知
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 ドイツメルケル首相は17日の記者会見で、イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握したアフガニスタンに対して、「現在の状況では開発援助はできない」と述べ、一時的に停止する方針を明らかにした。ドイツアフガニスタンに対する主要な援助国の一つで、他の援助国の方針にも影響を与えそうだ。

 DPA通信によると、ドイツからアフガニスタンへの援助は今年、総額4億3千万ユーロ(約550億円)が予定されていた。インフラ構築のほか、地元警察の訓練、女性教育の向上などを目的としている。マース外相は先週、「タリバンが完全に支配すれば、1セントたりともアフガニスタンには送らない」との考えを示していた。

 ドイツがかかわるアフガニスタンの援助には1千人以上が関わっており、メルケル氏は「現地スタッフの退避を急いでいる」と述べた。

 アフガニスタンに対するドイツの2002年~19年の累積支援額は、米日英に次いで4番目に大きい。また、駐留部隊の規模で比べても、米国に次いで2番目。財政難にあえぐアフガニスタンにとっては、大きな後ろ盾となってきた。今後、タリバン主導の国家運営が始まったとしても、独自の財源が乏しい状況は変わらない。

 ドイツの今回の援助停止は、権力を一手に握りたいタリバンの思惑を牽制(けんせい)する意味合いを持つ。(ベルリン=野島淳、バンコク=乗京真知