「アフガン政治指導者の失敗、悲劇招いた」 NATO

アフガニスタン情勢

ブリュッセル=青田秀樹
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 北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長は17日、イスラム主義勢力タリバンが権力を握ったアフガニスタン情勢について、「アフガン政治指導者の失敗が悲劇を招いた」との考えを示した。NATOは米国とともに駐留部隊の撤退を進めて完了済み。外交関係者やアフガン人スタッフらの退避に全力をあげているという。

 NATOはこの日、緊急会議を開いてアフガン情勢を協議し、ストルテンベルグ氏が記者会見した。NATO駐留軍の撤退を終えているものの、約800人の文民が現地に残り、24時間態勢で首都カブールの空港の機能維持、燃料補給、通信の確保などにあたっている。NATO加盟国からは、退避を確実にするため、軍用機を増派するとの表明もあったと説明した。

 NATOは近年、アフガン治安部隊の訓練などにあたってきた。「大きな進展が得られた」とし、米国の判断に沿う形で、昨夏時点で1万人規模だった部隊を今春から順次、撤退させた。タリバンが権力を握るリスクも承知のうえでの決定だったが、ストルテンベルグ氏は「予期せぬ早さで軍事的、政治的な崩壊が起きた」と語った。

 そのうえで、「つまるところ、アフガン政治指導者がタリバンに立ち向かうことに失敗し、市民が渇望する平和的な事態の解決ができなかった。それが、いま目の当たりにしている悲劇だ」と断じた。

 一方で、NATO部隊の駐留のもと、教育を受けることができた新しい世代が生まれ、メディアの活動も活発になったとも強調。「(米国で同時多発テロが起きた)2001年当時のアフガニスタンではない。簡単に覆るものではない」とした。今後の権力の移行については、「市民の基本的な権利を守らず、『恐怖による統治』を復活させれば、国際的な孤立に直面するだろう」と警告した。(ブリュッセル=青田秀樹)