第2回GoTo見直し、世論見誤った首相 陥った不信の悪循環

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菊地直己
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漂流菅政権 ②止まらぬGoTo
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 昨年11月18日夜、菅義偉首相田村憲久厚生労働相ら、新型コロナ対応にあたる閣僚を官邸に集めた。この日、国内の新規感染者数が初めて2千人を突破。2カ月前に安倍晋三前首相の後を継いだ首相は、「感染第3波」を前に政権初めての本格的な危機対応を迫られていた。「とにかく感染拡大を防ぐよう全力をあげてほしい」。首相はそう指示した。

 この時、専門家らが警鐘を鳴らしていたのが、観光支援策「Go To トラベル」だった。日本医師会の中川俊男会長は同日の記者会見で、トラベルが「(感染者急増の)きっかけになったことは間違いない」と明言。政府分科会の尾身茂会長も、感染拡大の要因の一部との認識を示していた。

 だが、翌朝、官邸で記者団の取材に応じた首相は「『静かなマスク会食』をお願いしたい」などと呼びかけ、トラベルには触れなかった。「トラベルは見直さないのか」と問う記者団に背を向け、その場を立ち去った。

 トラベルは、前政権時代に官房長官だった菅氏が旗を振って実現させた。首相に就くとすぐに、対象地域から除かれていた東京都も追加。利用人数は飛躍的に伸び、観光業界の喝采を浴びた。菅政権のシンボルともいえる事業だった。

 ただ、ほどなくトラベルを取り巻く雲行きは怪しくなった。東京から全国に染み出すように、感染が広まったからだ。

A-stories「漂流 菅政権」(コロナの時代 第2部)のページはこちら

 緊急事態宣言がまた拡大・延長されます。新型コロナの感染拡大を抑え、国民の信を問うという菅義偉首相の戦略は崩れつつあります。A-stories「漂流 菅政権 コロナの時代」では、政権発足以来のコロナ対応を検証します。

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