第5回「他人と違う」を大切に 「ギフテッド教育」受けた社長

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聞き手・伊藤和行
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 文部科学省の元官僚で、コンサルタント会社社長の藤井宏一郎さん(49)は小中学生の時、米国で、突出した才能がある子ども向けの「ギフテッド教育」を受けました。ただ、帰国後は日本の学校の「同調圧力」に苦しみ、心を病んだ経験もあるそうです。

    ◇

 〈小学3年まで東京都内の区立小学校に通った藤井さん。父の転勤で小3の9月から、米国に移住し、現地の公立小学校に転校した。ここで、突出した才能がある子を教育する「ギフテッド教育」を行うクラスに入る〉

 最初の1年ほどは日本語が話せる先生がいるバイリンガルクラスで、英語を学びながら授業を受けました。その後、現地の子どもたちと一緒の普通のクラスに移り、小5の時に先生から「タレント・ディベロップメント・プログラム」という特別教育を行うクラスに入るよう言われました。

 クラスメートは20人ほどで、本来は上の学年で学ぶ代数や幾何学を学んだり、シェークスピアの原文や英国ロマン派の詩を読んで劇をしたりしたのを覚えています。

 日本の小学校では教科書の内容をほぼ理解できていたので、話を聴くだけの授業を苦痛に感じ、よく騒いで廊下に立たされていました。しかし米国では、年齢でクラスが決まる日本と違い、習熟度に応じてクラスが分けられており、先生も個々の能力をできるだけ伸ばそうという考えでした。授業は楽しく、孤立を感じることもありませんでした。

 〈米国の中学校を卒業し、14歳の夏に帰国。地元の中学校に入ると、再び学校が退屈になったという。当時、国内では「校内暴力」が社会問題化し、「受験戦争」も過熱していた〉

 米国で受けた教育とのギャップに戸惑いました。テストで満点をとっても英検1級に合格しても、先生は荒れる生徒への対応にかかりきりで、褒められることはありませんでした。難しい課題を出されることもなく、無視されていると感じました。学習塾では何度も手を挙げて発言すると、背後から舌打ちが聞こえてくる。皆と同じことをすべきだという「同調圧力」に苦しみました。僕も次第に受験の参考書ばかりを読むようになりました。

#withyou~きみとともに~

◇学校に行きたくない、生きづらい……。長い休みが明ける前後、いつも以上にしんどさを感じる子どもたちに「ひとりじゃないよ」と伝えたい。「#withyou~きみとともに~」は、そんな思いを込めた企画です。同じように苦しんだ経験をもつ著名人からのメッセージや「居場所」に関する情報などを、随時掲載します。

自暴自棄で増えた飲酒

 〈進学校の私立開成高校から東京大学法学部に進んだ藤井さん。しかし、ここでも「同調圧力」に悩み、次第に心身をすり減らしていく〉

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