旺盛な演劇活動でも知られた作家・安部公房(1924~93)の代表作「砂の女」「友達」が相次いで舞台化される。現代の劇作家による上演台本・演出で、どんな輝きを放つのか。
「自由にシーン行き来」 「砂の女」主演の緒川たまき
砂丘に昆虫採集に出かけた男が、女が住む砂穴の家から抜け出せなくなっていく――。1962年の長編小説「砂の女」に取り組むのはケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)と緒川たまきのユニット「ケムリ研究室」だ。女を演じる緒川は19、20歳の頃に小説と岸田今日子主演の映画(64年、勅使河原宏監督)に出あい、ずっとひかれてきたという。
「世の中の隙間を生きる男を描く作家というイメージでしたが、岸田今日子さんの女を見たときに違う世界が開けました。受動的だけど芯や生命力があり、渦巻く色気や太古の女性性みたいなものを感じて、まぶしかったんです」
昨年旗揚げしたケムリ研究室…
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