共に立つ甲子園、女子エースと再会して笑顔 中学で対戦

奈良美里
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 中学時代に対戦したライバル同士が、甲子園の大舞台を前に再会した。全国高校野球選手権大会に出場する弘前学院聖愛(青森)の選手たちと、甲子園で初めて決勝が行われる全国高校女子硬式野球選手権大会で優勝を狙う神戸弘陵(兵庫)のエース・島野愛友利(あゆり)さん(3年)。両校の練習場所が同じだった縁で、お互いに「甲子園で頑張って」とエールを交換した。

 16日午後。弘前学院聖愛の選手たちが神戸市内の高校で練習を終え、バスで帰ろうとしていた時だった。「あっ島野だ」。歩いている島野さんの姿を見つけ、選手たちは急いでバスを降りた。

 同校の選手の約半数が、中学校の硬式野球チーム「弘前聖愛リトルシニア」(青森)出身だ。3年前、中学硬式の最高峰とも言われるジャイアンツカップの準決勝で、聖愛シニアは大淀ボーイズ(大阪)と対戦。そのエースが島野さんだった。両チームは宿舎も同じで、試合以外でも交流した。

 島野さんは最速120キロを超える本格派右腕。小中学校と男子に交ざってプレーしたが、高校では甲子園や地方大会への出場が男子生徒に限られているため、神戸弘陵の女子野球部を選んだ。兄2人が大阪桐蔭と履正社でともに甲子園出場経験があり、今回、憧れの地で決勝を戦えることになった。

 この日、弘前学院聖愛の生徒たちは久々の再会に照れくさそうな表情を浮かべていた。島野さんも驚いた様子だったが、「全国大会がんばって」と激励した。

 弘前学院聖愛の佐藤雄心くん(3年)には、3年前の島野さんとの対戦で忘れられない場面があるという。島野さんが打ったファーストゴロを佐藤くんがとり損ね、打球は足の間を抜けて行った。このプレーが決勝点となり、チームは敗れた。「どんなミスをしても、あのエラーに比べれば、と思って、あまり落ち込まずやれています」

 別れ際、島野さんは「もうトンネルしないようにねっ」と佐藤くんに一言。笑いが広がった。

 弘前学院聖愛は石見智翠館(島根)と、神戸弘陵は決勝で高知中央と、共に阪神甲子園球場で対戦する予定。(奈良美里)