甲子園また順延…感染も心配 不自由な宿舎生活に一工夫

[PR]

 第103回全国高校野球選手権大会は連日の雨で、本来の開幕日から10日間経っても、まだ多くの代表校が初戦をできずにいる。長引く宿舎生活も、新型コロナ感染対策で不自由が多いが、工夫しつつ心身の状態を整えている。

 高松商(香川)の初戦は19日の予定。兵庫県内のホテルに入ったのは8日。感染防止のため、それぞれ個室で過ごし、部屋の行き来は禁止している。

 これまで甲子園に来た時は全員で温泉に行っていたが、今年はできない。長尾健司監督は「少しでもお湯につかって、ゆっくり気分転換してほしい」と、選手に入浴剤を配った。「緊張感を持たせながらリラックスも大事にして、モチベーション維持に努めてきた」

 敦賀気比(福井)は1日2時間ほどの全体練習以外、練習はホテルの駐車場で素振りをする程度。感染防止のためホテルは貸し切りにして、朝の短時間の散歩以外、外出をしていないという。福井大会の決勝が7月21日だったため、東哲平監督は「1カ月も試合をしていない。こんなのは初めて」と話す。

 7日に球場近くの宿舎に入った樟南(鹿児島)の初戦は延期で20日になった。雨や感染対策で練習場を見つけるのに苦労したという。練習時間が限られ、山之口和也監督は「実戦感覚が心配」と言う。練習以外の時間は近くの公園で素振りをするなど体を動かす以外、外出を禁止している。貸し切りにしている宿舎では相手チームの試合のビデオを見るなどして過ごす。不自由な生活が続くが、山之口監督は「今回はそれも承知で来ているので仕方がない。しっかり調整し、いい状態で試合を迎えたい」。

 14日に樟南(鹿児島)との初戦を迎えるはずだった三重は、室内練習場で実戦形式の練習をするほか、宿舎の地下駐車場で素振りや筋トレをしている。沖田展男監督は「しっかり練習は出来ている。順延の影響はないと思う」。

 ただ、心身のリフレッシュには苦労している。「いつもなら朝食前に散歩したり、気晴らしにショッピングモールに連れて行ったりしていたが、それもできない」

 宿舎は1人1部屋で、部屋間の移動や外出は一切禁止。これまでは全員が大部屋に集まってミーティングをしたが、今年はバスでの移動時間を利用。対戦校の試合映像を見ながら対策を練っているという。池田彪我(ひゅうが)主将(3年)は「ほかの部屋には行けないので、みんな何をしているか分からないけど、(食事などで)会ったときには元気にしているか見ています」と話す。

 二松学舎大付(東東京)は6日に宿舎入りした。18日までの13日間のうち6日間は、午前に屋内で打撃練習などをし、午後からはほぼ宿舎で過ごした。立野淳平部長によると、「移動や練習準備も選手に負担がかかる。試合する前提で動く以上、あまりやり込めない」という。

 感染症対策には細心の注意を払う。市原勝人監督が「手洗いうがいの徹底。個人個人がしっかり自己管理すること(が大事)」と話すように、選手たちは食事のとき以外、宿舎内でもマスクを着用し、バスへ乗る前には手指消毒を欠かさない。宿舎前の駐車場で素振りをすることもある。

 ホテル宿泊が18日で14日目になった日大東北(福島)。選手たちは1人部屋の自室でほとんどの時間を過ごす。ホテルでの時間が長期化するなか、気分転換のため、昼のおやつに大阪名物の豚まんをホテルで配ったり、ゆっくり湯船につかれるよう入浴剤を配ったりした。検温は朝と夕食時の1日2回実施して記録。カメラの前に立つと自動で検温できる機器を学校から持って来ているという。エースの吉田達也投手(3年)は「甲子園で野球ができる喜びは全然変わらない」ときっぱり言い切った。