第9回無難な「多様性」 外面だけ レイチェル・ダム―ルさん

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構成・田中ゑれ奈
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 新宿2丁目を中心に活躍するドラァグクイーンで、自身はゲイ男性のレイチェル・ダム―ルさん。「多様性と調和」をテーマに掲げた東京五輪に何を思うのでしょうか。

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語る東京五輪⑨

 オリンピックには興味がなくて、競技も開閉会式もほぼ見てない。ただ、MISIAさんがレインボーカラーのドレスを着た国歌独唱だけはツイッターで知って、見ておこうと思った。

 彼女とは20年前に初めて会って、ツアーや2019年のNHK紅白歌合戦に他のドラァグクイーンたちと一緒に参加した。才能あるアーティストで、セクシュアルマイノリティーの権利や差別についても積極的に活動してきた人。だから今回も、誰かがやんなきゃいけない役割を、とりあえず引き受けざるを得なかったように見えた。

レインボーが独り歩き

 ドレスは、まぁ、無難な落としどころかなと思った。開会式に限らず、最近はセクシュアルマイノリティーの象徴としてのレインボーが独り歩きしている。誰かの責任に基づく明確なメッセージではなく、ある意味どうとでも取れるイメージを発信すれば、周りが「多様性」と受け止める。その意味を知らない人には違和感を与えず排除されないようにするという、戦略でもあるだろうけど。

 レインボー可視化という意…

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