第2回中国人の米国見る目変えた アフガン敗走とGゼロの時代

有料会員記事アフガニスタン情勢

中国総局長・林望
[PR]

揺らぐ世界秩序 アフガン政権崩壊 (2)

 イスラム主義勢力タリバンが迫るカブールから慌てて自国の大使館員らを救出する米軍ヘリや、群がるアフガン住民を置いて飛び立つ米軍輸送機。中国でも繰り返し報じられるこうした映像を、人々は目に深く刻み込んでいる。今年1月、トランプ前大統領の支持者が米連邦議会になだれ込んだ時と同様、米国の威信が崩れ落ちていく象徴的な場面としてだ。

 アフガニスタンの政権崩壊とイスラム主義勢力タリバンの台頭は、今後の世界のあり方をどう変えていくのか。米国、中国、ロシア、中東、欧州、アジア。それぞれの地域の特派員が読み解く。

 「米国人の後を追って逃げようとしたのに、米軍機から転落して命を落とした人の映像には非常なショックを受けた」

 中国外務省の華春瑩報道局長が17日の定例会見でこう強調したのにも、人々のそんな対米観を縁取ろうとする狙いが透けた。

民主派「よりどころ失いつつある」

 トランプ前政権以来、米国は対中圧力を強めているが、その間、中国はむしろ自信を強めている。公の場で「東昇西降(東方の中国が隆盛し西洋が衰退する)」と言ってはばからなくなった共産党や政府の関係者だけではない。多くの庶民の感覚の中ででもだ。

 米欧と比べダメージを格段に少なく抑えている新型コロナ対応なども作用しているが、それ以上に米国が自らの地位を傷つけている面が強い。

 民主主義の根幹である選挙をめぐる大混乱や深刻な人種対立があぶり出した社会問題は、米国の誇ってきた価値観に対する中国の人々の目を改めさせた。中国の民主化を唱えてきた北京在住の作家は「我々はよりどころを失いつつある」と嘆く。20年かけてアフガニスタンに民主主義体制を築こうとした末の「敗走」が、中国も一目を置いてきた米国への畏(おそ)れを一層薄めるのは疑いない。

 アフガニスタンからの米軍の…

この記事は有料会員記事です。残り1083文字有料会員になると続きをお読みいただけます。