浦島太郎がバレエに 森山開次さん演出の「竜宮 りゅうぐう」

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 新国立劇場バレエ団の話題の新作「竜宮 りゅうぐう」が9月23日、大阪にお目見えする。演出・振り付けを担当した森山開次さんのダンスの原点とは。

 カメラマンがシャッターを切ると、ふわりと両手を羽ばたかせた。長い金髪は、たてがみのよう。もしペガサスがいたら、こんな感じで飛ぶんだろう。

内股の美、コンテンポラリーに

 ダンスとの出合いは意外と遅く、20歳をすぎてから。進路に悩んでいた大学時代、兄からミュージカル観劇に誘われ、劇団「音楽座」のレッスンを受け始めた。

 重力を感じさせない踊りの根本には、当時の不思議な体験がある。ある日、高熱にうなされ、「体からぽっと出て壁をすり抜けて、自分の体を俯瞰(ふかん)して眺めていました」。夢か、うつつか。「その飛んでいるような感覚を踊りで求めるようになりました」

 ただ、小さい頃から内股で、バレエのレッスンは「苦行」そのもの。電車のつり革につかまりながら5番ポジション(外向きの足を交差させる形)をし、食事中も足の甲をストレッチして必死に立ち向かった。

 上達したい思いとともに、疑問も湧いた。「なんで、がに股じゃないといけないの?」。内股の美しさを生かす道を探るうちに、コンテンポラリーの世界へ行き着く。代表作「KATANA」など和を題材にした作風で注目され、NHK「からだであそぼ」で子どもたちにも知られるようになった。

浦島太郎、バレエ作品に

 初めて振り付けたバレエ作品が、浦島太郎を題材にした「竜宮 りゅうぐう」。昨夏、新国立劇場バレエ団が東京で初演し、9月に大阪へお目見えする。

 「こどものためのバレエ劇場…

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