災禍の10年を写真家49人が撮影

東野真和
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 東日本大震災から10年を経て、次々と起き続ける災禍の現場で49人の写真家が撮った62点が、「災害列島・日本」と題し、熊本県南阿蘇村河陽の「ギャラリー聚遠館(じゅえんかん)」で展示されている。25日まで。

 「複合災害の真っただ中にある日本の実態を浮き上がらせよう」と、フリーカメラマンの新藤健一さんらが企画した。13都道府県で撮影された写真の7割は東日本大震災の被災地。発見された妻の遺体に抱きついて泣く夫(宮城)や、人が原発避難した後に餓死した犬の死骸(福島)など、臨場感にあふれる。津波に流されて民宿の屋根に乗った観光船(岩手)など、今は撤去された震災遺構も記録にとどめている。

 他にも、2016年の熊本地震や昨年の九州豪雨災害など、全国の被災地の場面が切り取られている。昨年7月の九州豪雨の写真は、たまたま球磨村に帰省していた写真家が、球磨川支流の氾濫(はんらん)現場で撮った。

 また、コロナ禍も災禍の一つととらえ、五輪のモニュメントと緊急事態宣言でライトアップされた橋の両方が並ぶ東京・お台場の写真もある。

 写真を見た南阿蘇村の50代の女性は「改めて災禍の恐ろしさが伝わってきた。教訓にして対策を考えるきっかけになる」と話していた。東野真和