時代を映す物価の物さし ウォークマン外しノンアル追加

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古賀大己 伊沢友之
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 消費者が買うモノやサービスの値動きを示す「消費者物価指数」の対象品目が見直された。最近の消費の変化を反映させ、なるべく物価の動きを正しくつかめるようにするためだ。どんな品目が加わり、何が除外されたのか。見直しは5年ごとで、その品目の移り変わりには、暮らしぶりの変化が色濃く映し出される。

 20日に公表された7月分の指数から見直し後の「2020年基準」が適用された。これまでの「15年基準」に比べ、各家庭でよく買うようになった30品目が加えられ、あまり買わなくなった28品目が除かれた。

 変化が激しい電子機器では、スマートフォンの普及を受け、ソニーの「ウォークマン」に代表される「携帯型オーディオプレーヤー」やビデオカメラ、固定電話機が除外された。スマホが高機能になり、通話はもちろん、音楽を聴くのも、動画を撮るのもスマホという人が多くなったためだ。このほか、電子辞書は10年基準で初めて入ったが、今回、65年から調査されていた紙の辞書とともに姿を消す。ネット検索で言葉を調べる人が増えたためだ。

 逆に加わったのは米アップルの「iPad」のようなタブレット端末だ。これまで「パソコン(ノート型)」の一部として整理されていたが、独立した調査品目に格上げされた。あおり運転が社会問題となり、購入が増えたドライブレコーダーも追加された。

 食品の入れ替えは「時短」がキーワードだった。シリアルやサラダチキン、カット野菜、パックご飯(無菌包装米飯)、宅配水のほか、手軽に加熱・調理できる袋入りのおでん、チルド食品のハンバーグ、冷凍ぎょうざなどが加わった。逆に、外されたグレープフルーツは、皮をむく手間がかかることなどで、あまり買われなくなっていた。飲料では、飲む人が増えた「ノンアルコールビール」が追加された。

 子育て関連では、幼稚園や保…

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