死亡事故の松原、「強化」の巡視一部行わず 虚偽報告も
佐賀県唐津市の「虹の松原」で2019年に倒木が原因で小学生が死亡した事故を受けて、県が態勢を強化したはずの松原の巡視業務が、実際には一部行われず、県唐津土木事務所への報告書にも虚偽が記載されていたことが分かった。業務委託先の市内の建設会社が取材に認めた。
「虹の松原」内の県道では19年7月、倒木の松が原因で車の助手席に乗っていた小学生の男児が死亡した。この事故を受けて、それまで週1回だった徒歩による松原内の巡視を、土木事務所が週2回に強化し、往復約10キロで行うことになっている。
ところが建設会社の話では、半分しか行わなかったケースがこれまでに複数回あった。同社が請け負っている他の県道での緊急の作業などに回っていたという。
巡視はリーダーとなる松の目視役と、交通誘導員、作業員の3人1組で行っている。リーダーが土木事務所への報告書を書いていたが、一部しか実施しなかった日も全てしたように記載していた。上司のチェックは受けず、リーダーが土木事務所に提出していたという。
建設会社の幹部は「人手不足もあり、現場に任せきりにして社内のチェックが甘かった。反省している。今はきちんと指導している」と話している。
今回の事態について、土木事務所は「確認中」としている。(渡辺松雄)
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