タリバンを歓迎するアフガン商人 「我々はハッピーだ」

有料会員記事アフガニスタン情勢

ドバイ=伊藤喜之
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 イスラム主義勢力タリバンが掌握した母国の急変を、国外在住のアフガニスタン人はどう受け止めているのか。約15万人のアフガン出身者が暮らすとされるアラブ首長国連邦(UAE)で声を拾った。

 武力を背景にイスラム主義に沿った政治を目指すタリバンに不安を覚える人々がいる一方、期待を口にする経営者もいます。後段では彼らがタリバンを歓迎する理由について聞きました。

 18日昼、ドバイにあるアフガニスタン総領事館に入ると、ビザの発給やパスポートの更新などを求める人々が列をつくっていた。政権崩壊の直後だが、業務は継続されているようだ。

 受付にいた職員のアフガニスタン人男性は「何も変わらない、普段通りだ。あなたは記者? もし申請するなら、ビザもきっと発給できるはずだよ。昨日もエジプト人記者に発給した」と平然と話した。

 タリバン側から何らかの指示などは届いているのだろうか。男性職員は「それはまだ。昨日どう対応するか領事館内で会議が開かれたが、指示がくるまでは従来通りに対応するという結論になった」。

 混乱を理由にUAEに移ったアフガン市民は多いのだろうか。男性職員は「ドバイとの直行便は止まったのであまり多くないが、チャーター便や第三国経由でくるケースはあるかもしれない」と話しながら、こう続けた。

 「私もカブールにいる家族をドバイに呼び寄せようとしている。無事に出国してくれればいいけど、まだ見通しは立ってない」。淡々と答えているが、内心の不安が表情の端々にみえた。

 パスポートの更新に訪れたという男性(53)はタリバンが17日に開いた記者会見をみて、気分が悪くなったという。

 「女性の人権や報道の自由を守るって? 今は国際社会に迎合するような演出をしているだけだ。米軍が完全撤退する期限の8月末がすぎたら、おそらく徐々に本性を現してくる」

 仕事のためドバイにきて2年がたつといい、苦笑いを浮かべながら続けた。「ひげを伸ばさなきゃ、俺はもうアフガンに帰国できないな」

 イスラム教の預言者ムハンマドがあごひげを伸ばすことを励行したという言い伝えに、タリバンが忠実なためだ。あまり熱心なイスラム教徒ではないと言うこの男性にあごひげはない。

 失望を隠さずに吐き捨てた。「アフガニスタンはもう終わりだ。今後20年は何の希望も持てないだろう」

 18日夜には、大統領の座を追われ、国外に脱出したガニ氏がUAEに滞在していることが明らかになった。UAE政府は「人道上の配慮」で受け入れたと発表。ガニ氏本人は否定したものの、多額の資金を持って逃げたという疑惑もあり、国民の失望は大きい。

 UAEには比較的規模の大きな企業に限っても、500~600のアフガン系企業があるとされる。タリバンの復権を、UAEで活動するアフガニスタン人の経営者らはどう受け止めているのか。

 19日にオンライン取材に応…

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