「法で補償される」とウソ 「救済」かたる詐欺に注意
岩田恵実、高嶋将之
特殊詐欺の被害金を取り戻すためにつくられた法律を悪用したとみられる新手の詐欺が、東京都内で明らかになった。警視庁が注意を呼びかけている。
7月に文京区の60代女性が被害に遭った手口はこうだ。
「あなたの夫の預金が不正に引き出された」。警察官を名乗る男は電話口で切り出した。「情報が漏れているため、ご家族のキャッシュカードを回収します」
男はさらに続けた。「『救済法』で被害は補償される。これから伝える4桁の番号にカードの暗証番号を付けたものが申請番号です」と、女性に8桁の番号を復唱させた。
まもなく、女性宅に警察官を装った若い男が現れ、カード4枚を持ち去った。このとき、男は持参したパンチでカードに穴を開け、「悪用できなくした」と女性を安心させた。ただ、穴は磁気部分を避けて開けられたとみられ、直後、近くの無人ATMで約130万円が引き出されていた。
男が話した「救済法」とは…