利用広がるリバースモーゲージ 注意すべき三つのリスク

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前田朱莉亜
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 高齢者が持ち家などを担保に融資を受ける「リバースモーゲージ」の利用が広がっています。高齢化が進み、「自分たちの資産で最後まで生活したい」と考える人が増えていることが背景にあります。メリットや注意点を取材しました。

 リバースモーゲージの特徴は、自宅などの不動産を担保にまとまったお金を借りるが、元本は契約期間が終わるまで返済しない点だ。自宅に住み続けながら資金を得ることができ、利用者が亡くなるなどして契約期間が終わると、自宅を売却して元本を返済するのが基本だ。元本と利息の両方を毎月返済する住宅ローンと比べると、借入金利は割高になることが多いが、毎月の出費は少なくなる。

 2005年に取り扱いを開始した東京スター銀行の担当者は「預金などの手元資金は少ないが持ち家はあるという高齢者、旅行や趣味などのレジャー資金を確保したい『アクティブシニア』の方にメリットがある」と話す。

自宅に住み続けながら借金

 東京スターの場合、リバースモーゲージの利用者はここ10年で7倍に増え、20年11月時点で約1万4千人となった。金融庁は19年、「老後に向けた蓄えが2千万円必要」などとする報告書をまとめたが、この「老後資金2千万円問題」が取りざたされた時期には「いざというときに備えて契約したい」と問い合わせが殺到したという。高齢化が進み、子どもたちに何かを残すよりも「自分たちで築いた資産でこれまでの水準を維持しながら生活したい」と考える人が増えていると、東京スターは分析する。

 親の資産に対する子ども世代の意識も変化している。同行が19年12月に30~49歳の約500人を対象に実施した調査では、「親の資産をあてにしているか」との質問に、7割以上が「していない」と回答した。

 ニッセイ基礎研究所の主任研究員・高岡和佳子さんによると、リバースモーゲージの場合、金融機関は元本を回収できないリスクを避けるため、担保評価額よりも融資の限度額を低く設定していると指摘する。「普通に売った方が手に入る現金は多くなるだろうが、自宅の所有権はなくなる。リバースモーゲージの利用者は、住み慣れた家で生活が続けられることに魅力を感じているのだろう」と話す。

 そのうえで、高岡さんは「三つのリスク」への注意を促す。

 一つ目は「長生きリスク」…

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