せめて子どもだけでも 殺到の群衆、米兵に赤ちゃん託す

笠原真
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 イスラム主義勢力タリバンの支配から逃れようと人々が殺到している首都カブールの空港で、赤ちゃんを壁の上に立つ米兵に託す動画がSNS上で拡散し、注目を集めている。

 ロイター通信が20日に配信した動画では、空港の外壁に詰めかけた男性が両手で赤ちゃんを担ぎ上げ、米兵に差し出す姿が映っている。米兵に片手で引き上げられた赤ちゃんは、いったん別の兵士に預けられた後、壁の向こう側へと運ばれていった。19日に撮影された動画だという。

 また同通信は、19日にも別の動画を配信。小さな女の子が男性に持ち上げられ、米兵に引き渡される様子が映されている。「タリバンの復権を恐れる人々の絶望感を捉えている」と伝えている。

 アフガニスタンでは15日に政権が崩壊。タリバンが権力を掌握しているが、カブールの空港では約5200人の米軍部隊が安全を確保し、退避作戦を行っている。国務省が19日時点で発表した情報では、これまでに空港から国外退避させた人数は約7千人。さらに6千人が手続きを終えて出発を待っている状況という。

 ただ、米軍が退避の対象にしているのは米国人のほか、元米軍通訳などのアフガニスタン人協力者や家族らで、大半の住民に脱出の手段はない。ロイター通信によると、退避を求める数千人の住民らが空港周辺に詰めかけているという。(笠原真)