ミャンマー代表選手を難民認定 「安心して暮らせる」

宮崎亮
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 サッカーのミャンマー代表選手として来日後、母国軍のクーデターに抗議して難民申請していたピエリアンアウンさんについて、大阪出入国在留管理局(大阪市)は難民と認定し、20日、難民認定証明書を交付した。難民認定申請から2カ月足らずでの認定となり、異例の早さだ。

 この日午前、ピエリアンアウンさんは「日本国民、日本政府、今まで助けてくれた皆様にとても感謝しています。日本で安心して暮らすことができる」と話した。

 ピエリアンアウンさんは5月28日に千葉市であったワールドカップ予選の対日本戦で国軍への抵抗を示す「3本指」を掲げた。6月16日に関西空港で帰国便への搭乗を拒否。「帰国すると迫害を受ける可能性が高い」として、6月22日に難民認定を申請した。

 出入国在留管理庁はクーデターを受け、在日ミャンマー人が情勢不安を理由に日本にとどまることを望む場合、6カ月か1年の在留や就労を認めている。ピエリアンアウンさんはこの措置で7月2日、日本で就労できる6カ月間の「特定活動」という在留資格を得たが、8月20日、これを5年間の「定住者」に変更する許可を申請し、認められた。

 午後にあった会見では「私は生きているので、ミャンマーが平和になったら戻って家族と会うチャンスがある。民主化運動で命を落とした人たちは家族と会えない。それに比べたら私のことはちっぽけなことだ」と話した。

 ピエリアンアウンさんは7月にJリーグ3部(J3)のYSCC横浜(横浜市)の練習生になった。「サッカーをする時間が一番楽しく、幸せ。クラブの社長やメンバーは自分を家族のように迎えてくれた。練習をしっかりし、日本語を一生懸命勉強したい」。何らかの仕事で収入を得ながら選手登録を目指すという。会見に同席した同クラブの吉野三郎統括本部長は「日々彼の笑顔が増えていくことで、我々が彼からもらう勇気も増えている」と語った。

 難民申請を支援してきた空野佳弘弁護士によると、ピエリアンアウンさんは今後、外務省の外郭団体・アジア福祉教育財団の難民事業本部(RHQ)による日本語指導や生活援助を受けられるという。空野弁護士は「日本政府が彼を難民認定するということは、ミャンマー国内で(国軍の)迫害が存するということを公的に認めることになる。比較的はっきりとミャンマーの暴力的な国軍の支配に『ノー』という姿勢を政府が出してくれた」と述べた。

 ミャンマーの人権団体によると、国軍の弾圧による死者は1千人を超えた。空野弁護士は「日本国内でも抗議行動に参加する若いミャンマー人がたくさんおり、難民申請をしている。彼の認定がそうした人々にプラスになることを期待する」と話した。宮崎亮