「ピッチの中は自由」 パラ競技に挑戦した元Jリーガー

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聞き手・岩佐友
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 5人制サッカー(ブラインドサッカー)の日本代表でプレーした元Jリーガーがいる。GKとしてJ1横浜F・マリノスで2003~04年の連覇を経験し、現在FC東京普及部でサッカースクールのコーチを務める榎本達也さん(42)だ。ブラインドサッカーの経験から得たことやパラリンピックへの期待を語ってもらった。

 ブラインドサッカー日本代表からの誘いがあったのは、FC東京で現役を引退することを決めていた16年末のことでした。高田敏志監督から「選手としてプレーしてみないか」と声をかけてもらったんです。

 ブラインドサッカーのGKは目が見える選手がプレーできます。競技の存在は知っていましたが、最初は断りました。本気でメダルを目指す選手たちと、現役を終えようとしている自分では熱量が違う。失礼だと考えたからです。ただ監督は「一度、体験して」と譲りませんでした。翌年2月、練習に参加しました。

 衝撃を受けました。目が見えない状況下で、あれだけ激しくコンタクトするとは。GKとしてのプレーも新鮮でした。動けるエリアはサッカーに比べて狭く、至近距離からシュートが飛んできます。さらにアイマスクをつけている選手の目線はわからないので「ここではシュートを打たないだろう」というような予測が通用しません。今までとは全く異なる感覚でした。純粋に楽しくて、新しいおもちゃを渡された子どものように好奇心がわきました。現役の頃からチャレンジなくして、成長はないと思っていました。だから、ブラインドサッカーへの挑戦を決めました。

 プレーの中で、特に難しかったのはコーチングです。20年間プロでプレーしたので、声の大きさや聞きやすさは評価してもらえました。ただ、目が見えない選手たちに、どれだけ状況を伝えられるかという点には課題がありました。どのタイミングで伝えるべきか、どんな言葉がわかりやすいか。選手それぞれの希望もあります。個々にコミュニケーションを取りました。

 チームの問題点を感じることもありました。選手たちの中に勝負に対する甘さが垣間見えたんです。

 17年12月のアジア選手権…

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