社会を変えるパラスポーツの「日常化」 パラ元日本代表

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石川春菜
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 東京パラリンピックが24日、開幕します。誘致決定から約8年。パラスポーツは身近なものになっているでしょうか。冬季パラリンピックのアイスホッケー元日本代表で、パラスポーツの普及に取り組む上原大祐さん(39)に聞きました。(石川春菜)

 パラリンピックの誘致が決まってから、各地で体験会が開かれるようになったこともあり、「ボッチャ」や「ブラインドサッカー」など、パラスポーツの知名度は着実にあがってきた。ただ、普及という意味では「やっとスタートラインに立ったところ」という。

スポーツの力が分断を埋める

 日本の現状については、健常者と障害者が互いを知り合う機会が少ないなど、両者が分断された状態だと指摘する。「障害があれば小学校から特別支援学校を選ぶ児童が多く、一緒に教育を受けることが少ないからです。障害者を手助けする機会があった人も少ない」。それもあって、上原さん自身も「遠慮」する。普段車いすで移動する時など、なるべく人の手を借りなくてもいいように、遠回りをしたり、下調べをしたりすることが多いという。

 一方、競技生活を送った米国や、大会観戦のために訪れた英国では、街のバリアフリー化は進んでいないと感じたものの、知らない人から「手伝おうか」と声をかけられる場面が多く、気軽に移動することができたという。「車いすでの移動を、車いすに乗らない人でも『自分ごと化』していることが多かった」と振り返る。「『自分ごと化』は難しくても、スポーツを通じて知り合い、『友達ごと化』できたら」と思う。

 それだけに、競技の普及に取り組む自治体などには、「継続できる場」や、モチベーションや目標となる「目指す場」づくりといった視点を大切にしてほしいという。「大事なのは体験会を開いた回数ではなく、体験会に行った人がどれくらい続けるか。体験会をして『楽しかった』だけでは意味がない」

パラスポーツの普及に取り組む上原さんは、「楽しかった」の先をめざすと言います。そこに見えてくる世界とは。障害者だけのものではないパラスポーツの魅力や、課題も聞きました。

 「イベントだけで終わるので…

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