広島県議会、13人に文書警告 買収事件で辞職勧告せず

東郷隆、大久保貴裕
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 2019年の参院選広島選挙区をめぐる買収事件で、議員の疑惑などを調べる広島県議会の政治倫理審査会は20日、現金を受け取ったとされる自民系の県議ら13人全員を文書警告にすると決めた。最も重い辞職勧告を求める意見も出たが、「厳しい措置は難しい」などと主張した自民党が押し切る形となった。

 13人は、元法相の河井克行被告=公職選挙法違反罪で有罪判決、控訴中=と、妻で前参院議員の案里氏=同法違反罪で有罪確定=から、10万~200万円の現金を受け取ったとされる。審査会は各会派の県議12人で構成され、この日は非公開で行われた。

 出席議員によると、審査会は、これまでの夫妻の裁判で13人への買収罪が認定されたことを踏まえ、「公正を疑われる金品の授受があった」と判断し、県議会政治倫理条例に違反したと認定した。

 条例に基づく措置は、辞職勧告▽本会議や委員会への出席自粛▽常任委員長などの役職辞任▽全員委員会での陳謝▽文書警告▽条例の遵守。野党会派は最も重い辞職勧告を求めたが、最大会派の自民党の委員からは、文書警告より重い措置を求める声は上がらなかったといい、最終的には、野党側も含め、全会一致で文書警告に決めたという。

 野党議員は取材に「じくじたる思いだが、13人の条例違反を議会として認定することを重視した」と述べた。委員長を務める野党会派の中原好治県議は「(委員の)構成が結果に影響した」と述べた。自民県連関係者は「不起訴になった者に辞職を求めるのは筋が通らない。早くケリをつけ、(衆院選の)選挙態勢を立て直したい」と語った。

 広島大大学院の新井誠教授(憲法学)は「議会として自浄能力を発揮したかどうかは、次の選挙の結果で評価される。今度は県民の見識が問われることになる」と指摘した。

 河井夫妻から現金を受け取ったとされる県議らをめぐっては、不起訴処分を不服とする広島市の市民団体が東京検察審査会に審査を申し立てている。(東郷隆、大久保貴裕)