学校連携観戦プログラム、千葉市で波紋

小木雄太、重政紀元 真田香菜子
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 【千葉】24日に開会する東京パラリンピックを小中学生らが観戦する「学校連携観戦プログラム」をめぐり、千葉市の実施決定が保護者らに波紋を広げている。「多様性の理解になる」との推進派と、「感染リスクが高い」との慎重派に意見が割れている。

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 千葉市は学校連携観戦プログラムについて、17日に全市立学校167校の参加を決定。最大約2万4500人の参加を見込む。最終的な参加の同意数はまだまとまっていないが、市幹部は「かなりの数が希望しそう」と自信をみせる。

 実施の意義について、神谷俊一市長は17日の取材に対し「外出自粛を求める声は理解できるが、高い教育効果がある。子どもの1年は大人とは重みが違う。校外学習を含め、教育活動はできる限り実施している」と述べ、理解を求めた。

 熊谷俊人知事も前向きだ。17日の記者会見では「世界中のパラアスリートの姿を通して、障害のある人もない人も共に交流できる社会を次代を担う子どもたちがつくってくれると信じている」と述べた。

 一方で、政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は19日、「状況はかなり悪い」として同プログラムに否定的な考えを示した。東京都でも、18日の都教育委員会の臨時会で、「観戦予防に不安がある」などとして教育委員5人のうち4人が実施に反対している。(小木雄太、重政紀元)

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 障害者の社会参加に尽力してきた人たちからは実施決定に歓迎の声が上がる。

 2004年と12年開催のパラリンピック・車いすマラソンの入賞者で、日本パラ陸上競技連盟副理事長の花岡伸和さん(45)は「多様な生き方に触れることは子どもの生きる力を育む。プレーだけでなく、大会を作るための工夫や努力を間近に見られ教育効果が高い」と意義を語る。

 一方、感染リスクを抱えた中での実施について、保護者の意見は複雑だ。

 小学5年の長男(11)がいる千葉市緑区の女性(44)は、不参加とする予定だ。「友だちも見にいくから参加したい、という子どもに、ダメと言うのはつらかった。でも感染が急拡大するなかで、とても行かせられない」。知人の間でも夏休み前には参加と回答した家庭が不参加になるケースが出ているという。

 市議会の複数会派からも懸念を示す声が上がる。共産党市議団は20日、中止を求める署名、1513人分を市長宛てに提出。自民党無所属の会と市民ネットワークちばは、感染対策の強化などについて要望書を出した。(真田香菜子)