ハリス米副大統領、東南アジア歴訪へ 中国へ対抗意識

ワシントン=園田耕司
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 米政権高官は19日、ハリス米副大統領が20~26日の予定で、シンガポールベトナムを訪問すると発表した。ハリス氏のアジア外遊は初めて。バイデン政権が「地政学上最大の試練」と位置づける中国を念頭に、東南アジアを含むインド太平洋地域への米国の強い関与を示す考えだ。また、アフガン政権崩壊による同盟国・友好国の動揺を鎮める狙いもある。

 米政権高官は19日の電話会見で、「東南アジアはインド太平洋地域の中心部であり、米国にとって極めて重要だ」と指摘。ハリス氏が今回の外遊で、インド太平洋地域への「永続的な関与」を明確に示すとした。24日にシンガポールで、米国と東南アジアとインド太平洋地域の連携について演説を行う。ベトナム戦争で敵対したベトナムへの訪問は、米国の副大統領として史上初めてとなる。

 政権高官によれば、ハリス氏はアフガニスタン情勢をめぐり、外遊中もワシントンの国家安全保障チームと連絡を取って対応を続けると強調。それでも「東南アジアとインド太平洋地域は極めて重要だから彼女は訪問する」と述べ、アフガン政権崩壊という米国を揺るがす問題が起きても、ハリス氏の外遊予定を変更しなかったことを強調した。

 アフガン政権の崩壊で米国の威信は傷つき、同盟国・友好国には動揺が広がっている。とくに東南アジアはバイデン政権発足後、連携強化に出遅れた感があり、オースティン米国防長官らが訪問してテコ入れを図っていた。米政権としてはナンバー2のハリス氏が東南アジアを直接訪問し、米国の関与を強調することで、東南アジア側からの信頼を高めようとする思惑がある。(ワシントン=園田耕司