六角川氾濫・浸水から1週間 被害状況いまだ確定せず

林国広、高原敦、松岡大将
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 佐賀を襲った記録的大雨は、14日に佐賀県嬉野市や同県大町町など16市町に大雨特別警報が発表され、六角川が氾濫(はんらん)するなど大きな被害をもたらした。それから1週間。被害状況は今も確定せず、大規模な浸水土砂災害に見舞われた被災地では、復旧・復興への筋道は見えていない。

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 九州付近に停滞した前線の影響で、佐賀県内は11日朝から記録的な大雨に見舞われた。佐賀地方気象台によると、11日午前6時から20日午前10時までの雨量は、最も多かった佐賀県嬉野市が1178・5ミリ。同市の年間平均雨量(2323・7ミリ)の半分を超える量が降ったことになる。次いで鳥栖市1031ミリ、佐賀市駅前中央1018・5ミリ、大町町1017ミリと、いずれも千ミリを突破した。

 県災害情報連絡室によると、20日午後4時時点で軽傷者が佐賀市で3人、神埼市で1人。死者や重傷者はいない。県幹部は、避難所や建物の上層階などへの避難が進んだことなどが影響したとみている。

 浸水や冠水は相次いだ。同県武雄市の六角川流域などで、雨水が支流や水路から河川に流れ出ず氾濫する「内水氾濫」が広い範囲で確認されたという。

 住宅への被害は、床上浸水が同県大町町83件、佐賀市44件など11市町で計226件、床下浸水は同県白石町345件、佐賀市272件など13市町計1075件となっている。これと別に、同県武雄市の浸水被害が床上・床下合わせて約1650件に上るとみられており、確認が進むにつれ、被害件数はさらに増える見込みだ。

 土砂災害も相次いだ。みやき町では寒水(しょうず)川の上流付近で土砂崩れがあり、町は15日、一帯の8世帯25人を対象に警戒レベル5の「緊急安全確保」を出した。対象の住民は現在も避難所などに身を寄せている。

 鳥栖市でも各地で浸水被害が起きた。筑後川そばにある県の下野排水機場(同市下野町)が14日朝に浸水で停止。電気系統などが故障し今も使えない状態だ。

 大町町では砥石川ため池近くの山で地すべりの兆候が見つかった。地すべりが発生すると、池の水が周辺の住宅街に流れ出す恐れがあるとして、町は一時、周辺の約1700人に避難指示を出した。

 県災害対策本部(現・県復旧・復興推進本部)によると、今回の大雨による避難者数のピークは14日午後7時時点で、全20市町で計1296世帯2573人。20日午後4時時点で、なお95世帯198人が避難している。(林国広、高原敦、松岡大将)