監督を安心させた金メダリストの投球 オリの誇る侍2人

佐藤祐生
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 (20日、プロ野球 オリックスバファローズ2―1埼玉西武ライオンズ)

 日本を悲願の「金」に導いたオリックスの主軸とエース。その2人がもたらした劇的な勝利で、2位との差は3ゲームに広がった。

 1―1の九回1死満塁、吉田正尚が打席に入った。マウンドには防御率0点台、東京五輪で同じユニホームを着た西武の守護神平良海馬。だが、「外野まで運べばなんとかなる」。狙い通りに初球をとらえると、快音とともに打球は高々とセンター方向へ舞い上がった。

 距離十分のサヨナラ犠飛となった。

 味方の先発は、東京五輪でともに世界と戦い、2試合で18奪三振を記録した23歳の山本由伸。失点は本塁打による1点のみと、この夜も圧巻の投球を見せていた。最速155キロの直球を主体に、フォークやカーブを織り交ぜ、許した安打は3本。二、三回をのぞけば一人の走者も許さず、9イニングを投げきっていた。

 「エースに勝ちを付けられるのはチームとして良いこと。何とか勝利を一つでも多くもぎ取って、(他チームを)引き離していきたい」と吉田正。後輩の力投ぶりに火をつけられた28歳の一振りだった。

 自己最多を更新する10勝目を挙げた山本は笑った。「逆転を信じて何とか粘り強く投げられた。(吉田正は)頼りになる先輩です」

 世界との戦いを制し、一回りも、二回りも成長して帰ってきた2人がいるチーム。後半戦もオリックスは、簡単に勢いを失うことはなさそうだ。(佐藤祐生)

 中嶋監督(オ) 「(山本に)試合前、『安心して見てて下さい』と言われたので、安心して見ていました」