第5回アフガンの挫折、欧州に自省の声 テロ・難民に不安も

有料会員記事アフガニスタン情勢

ヨーロッパ総局長・国末憲人
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揺らぐ世界秩序 アフガン政権崩壊(5)

 アフガニスタンの政権崩壊は、米バイデン政権の対応への不信感を、欧州各国に広げることになった。米国の長期的な戦略や手法そのものへの疑念も生まれ、トランプ政権後に改善したはずの米欧関係にきしみが生じている。同時に、民主主義や人権など欧州の理念のあり方も、問い直されることになった。

アフガニスタンの政権崩壊とイスラム主義勢力タリバンの台頭は、今後の世界のあり方をどう変えていくのか。米国、中国、ロシア、中東、欧州、アジア。それぞれの地域の特派員が読み解く。

 アフガニスタンの動きは、いくつかの面で欧州に直接影響を与えそうだ。

 一つは、テロ組織やイスラム過激派の脅威が高まりかねないこと。ここを拠点に欧州での大規模テロが準備される懸念も拭えず、国際テロ組織アルカイダや過激派組織「イスラム国」(IS)を壊滅状態に追い込んだ欧米の取り組みが振り出しに戻る恐れもある。アルカイダ系組織が浸透する西アフリカのマリでも、フランス軍が駐留規模を縮小する計画で、テロ対策の空白域が広がりそうだ。

 アフガニスタンからの難民増加への不安も強い。迫害される恐れのある女性らの受け入れは英国などが表明しているが、多数の難民の入国を認める国は少ない。シリアなどからの難民が陸路で欧州を目指した2015年の危機の再現となれば、欧州各国で右翼勢力の発言力が高まるなど、各国の内政にも影響する。フランスのマクロン大統領は16日、テレビ演説で「欧州だけでは引き受けられない」と述べた。

吹き出す米国批判

 今回の出来事を巡っては、米…

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