アフガンからの国外退避、バイデン氏「危険な任務だ」

アフガニスタン情勢

ワシントン=高野遼
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 バイデン米大統領は20日、ホワイトハウスで記者会見し、アフガニスタンに取り残された米国人やアフガニスタン人協力者らの国外退避について「危険な任務だ。最終的な結果は約束できないが、あらゆる力を動員する」と述べた。

 米軍は14日以来、1万3千人を退避させた。政府は正確な数字を明かしていないが、米国人が1万人以上、アフガニスタン人の元通訳と家族ら5万人以上がまだ現地に取り残されているとみられる。

 これまで、中東カタールの首都ドーハを退避先にしてきたが、20日にはドイツラムシュタイン米空軍基地にも一部が到着。国務省によると20カ国以上が避難した人々の一時経由や受け入れを表明しているという。

 米軍撤退の期限は8月末に迫るが、イスラム主義勢力タリバンの妨害を受けて空港にたどり着けない人も多く、期限までに退避作戦が完了できる見通しは立っていない。20日にあった北大西洋条約機構(NATO)の外相会議では、複数の国々から期限延長を求める声も出たという。バイデン氏は20日、「それまでに(退避作戦を)終えられると思うが、今後判断する」と明言を避けた。

 またバイデン氏は、米軍が19日に空港外から169人を空港に運び入れたと説明。従来は市民らに自力で空港に来るよう求めていたが、増派により6千人の米軍部隊が整ったことで、ヘリコプターなどを使った空港外からの救出作業もできる態勢となった模様だ。

 バイデン氏はこの日、15日のアフガン政権崩壊後に初めて記者会見で質疑に応じ、記者からは責任を問う質問も相次いだ。

 バイデン氏は米国人の退避に全力を挙げる姿勢を示したが、元通訳らアフガニスタン人協力者らについても同様かと問われ、「米国人を退避させることが最重要だが、彼らも同様に重要だ」と述べた。

 もっと早く退避を進めるべきだったとの指摘には「私が決断した。責任は私がとる」としつつも、「それ(政権崩壊)は起きないというのが、一致した意見だった。もし起きるとすれば、今年後半だった」と釈明した。

 また、同盟国からの米国への信頼性が揺らいだのではないかと問われると「世界中の同盟国から、我々の信頼性に疑問を持つ声は届いていない」と反論した。(ワシントン=高野遼)