プーチン氏がアフガンめぐり欧米批判「押しつけならぬ」
ロシアのプーチン大統領は20日、イスラム主義勢力タリバンが権力を握ったアフガニスタンの今後をめぐり「タリバンがほとんどの領土を支配している現実が前提になる」とし、国の崩壊を防ぐことを最優先すべきだとの考えを示した。また「西側の多くの政治家は他国に政治的標準を押しつけてはならないことを学んだだろう」と述べ、過去20年の米国などのアフガン支援を批判した。
同日、モスクワのクレムリン(大統領府)で行われたドイツのメルケル首相との首脳会談後、記者会見で語った。プーチン氏は「タリバンはすでに戦闘行為を終えて秩序回復の段階に入ったと宣言している」と述べ、住民や外交団の安全確保を国際社会が監視できるよう国連安保理が調整すべきだとの考えを示した。
ロシアはこの数年、アフガニスタン国内の各政治勢力が参加する協議の場を設け、タリバンとの関係を維持してきた。
メルケル氏は会見で「タリバンが首都に戻り、国を支配していることに落胆している」と発言。一方で「我々は脅威にさらされている人々が安全に国を離れることができるよう、また我々が今後もアフガニスタンの発展のための仕事を続けられるよう彼らと交渉しなければならない」とも話した。ドイツや北大西洋条約機構(NATO)のアフガニスタン人スタッフらの国外退避についてロシアの協力を要請したという。(モスクワ=喜田尚)
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- 【視点】
9月に退任予定のメルケル首相、これがプーチン大統領との最後の会談かもしれません。プーチン氏は共同記者会見で「我々の意見がいつも一致したわけではないが、対話はいつも率直で実質的なもので、妥協点を見つけ、最も困難な問題を解決しようとするものだっ