物件探しじゃなくて借り主捜し 夢追うさかさま不動産

大滝哲彰
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 借りたい人に物件が集まる――。本来の不動産とは「さかさま」の発想で生まれた仕組みが、若者たちの夢を後押ししている。三重県桑名市の会社が作った仕組みは、名付けて「さかさま不動産」。この会社が描くのは、「挑戦を応援できるまちづくり」だ。

 「安心して産める助産院を作りたい」

 「倉庫を使って面白いことがしたい」

 「人を幸せにするおにぎり屋さんを作りたい」

 さかさま不動産のウェブサイトには、物件を探す人たちのそれぞれの思いが詰まっている。どの地域で、どんな物件で、何をしたいか。借り主の思いに共感した家主が直接連絡を取ることができる。その際、仲介料や登録料はかからない。

 運営するのは桑名市の会社「On―Co(オンコ)」。東海地方を中心に、空き家や古民家を活用したシェアハウスやレンタルスペースなどを運営し、新型コロナウイルスの感染が広がった昨年以降、オンラインを使った移住相談会や空き家見学ツアー、漁師や農家といった生産者と消費者をつなぐ「オンライン商店街」を実験的に企画してきた。

 昨年6月には、さかさま不動産のサイトを本格的に開設した。それ以降、物件を借りたい人や物件を貸したい人、空き家問題を抱える東海地方の自治体から、多くの問い合わせが寄せられているという。

 すでに、このサイトを通して知り合った借り主と家主のマッチングが成立している。「持続可能なまちの本屋を開業したい」と願った女性は、名古屋市内の空き家を借りて本屋をオープンさせた。ある男性は、愛知県瀬戸市内にオーダーメイドの自転車屋を開いた。海洋プラスチックごみを活用したアート作品を手がける男性は、三重県鳥羽市内の空き倉庫を借り、アトリエとして活用した。

 さかさま不動産を使って物件を借りた人たちは、いずれも夢を持った20代の若者たちが中心だ。On―Co共同代表の水谷岳史さん(33)は「地域にあふれている空き家が媒介になって、最終的にはその地域が若者にとって挑戦しやすいまち、若者の挑戦を応援できるまちになれば面白い」と話す。

 さかさま不動産のサイト(https://sakasama-fudosan.com/別ウインドウで開きます)で、最新の情報を確認できる。問い合わせは広報担当の福田さん(080・5984・7800)。(大滝哲彰)