想像と違った暴力団 カタギへの道「刑務所より孤独」 

有料会員記事裁かれる工藤会

加治隼人
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 暴力団追放運動が社会に定着し、警察などの離脱支援もあって暴力団員は減少の一途をたどっている。しかし、組織を抜けた「元暴(元暴力団員)」は、世間の厳しい目にさらされ、安定した就職先を見つけて暮らしを立て直すのは容易ではない。「カタギ」へ戻る道を「刑務所より孤独」と語る人もいる。

 福岡県内の50代男性は元暴力団員。組織を抜けた後、介護職に就いた。お年寄りの食事や風呂の介助、おむつ交換……。大変な仕事だがやりがいはある。「ありがとう」と言われると、やっぱりうれしい。

 でも、「カタギに戻るまでの道のりは相当苦しかった」と振り返る。

 10年ほど前まで東京で、指定暴力団の傘下組織に所属していた。最初は「企業舎弟」として建築現場への労働者派遣などでもうけ、やがて暴力団と手が切れなくなった。拳銃をちらつかせながら組に入るかの選択を迫る幹部の要求を断りきれず、組織に入り、海外マフィアとも取引した。

 だが、取引をめぐるトラブルから多額の現金を工面する必要に迫られ、特殊詐欺に関わった。摘発されて刑務所へ。組幹部と折り合いが悪かったこともあり、「今が潮時だ」と服役中に離脱届を書いた。暴力団排除が社会に浸透し、「組の代紋じゃ食っていけない時代」とも感じていた。

 約5年後に出所。ずっと食べたかったコンビニのスイーツをほおばり、「やっぱり娑婆(しゃば)はいい」とかみ締めた。

 だが、「元暴」を見る周囲の目は冷たかった。

 故郷の福岡に帰り、服役中に…

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