軍閥が反攻、タリバンから一部地区奪還 石像の破壊も

アフガニスタン情勢

バンコク=乗京真知
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 アフガニスタンで、イスラム主義勢力タリバンの支配に反発する動きが目立ち始めた。北部では軍閥がタリバンを追い出し、一部の地区を奪い返した。支配地域の奪還は、タリバンが権力を掌握して以降、初めてとみられる。各地で市民のデモも起きている。

 地元メディアによると、北部バグラン州で21日、地元軍閥が一斉攻撃を仕掛け、タリバンから3地区を取り戻したという。SNS上では、軍閥メンバーとみられる男たちが、崩壊した政権が使っていた黒、赤、緑の3色の国旗を屋根の上に飾る動画が拡散した。

 東隣にあるパンジシール州の住民によると、同州では第1副大統領として政権を支えていたサーレ氏や、タリバンの猛攻から逃げてきた政府軍兵士ら数千人が地元軍閥に合流し、武装闘争の準備を進めている。

 中部バーミヤン州では17日夜、同州に暮らす少数派ハザラの英雄で、1990年代にタリバンに殺害された政治指導者アブドル・アリ・マザリ氏の石像が爆破された。翌日、市民数十人が街頭でタリバンに抗議した。住民のノウルーズさん(28)は「地域の象徴を壊すことで住民に恐怖を植え付ける気だろう」と憤る。

 偶像崇拝を禁じるタリバンは、2001年に同州のバーミヤン大仏を爆破し、世界に衝撃を与えた。地元博物館のアバス・ハワリ学芸員(35)は「少数派の歴史や文化を踏みにじる時代の再来だ。タリバンから脅迫があり、いま博物館長と山奥の小屋に逃げている」と語った。

 3色の国旗を守る運動も各地で起きている。住民は街中にあるタリバンの白い旗を取り外し、3色の国旗を振って行進。解散を求めるタリバン戦闘員の発砲で死傷者が出ている。(バンコク=乗京真知