国後島から海路で北海道に ロシア人男性、亡命を希望?

大野正美
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 北方領土国後島に住むロシア人男性が19日、根室海峡を渡って約20キロ離れた対岸の北海道標津町に現れたことが、関係者への取材でわかった。男性は同日、標津町内で北海道警に保護され、札幌出入国在留管理局に移送された。ノーボスチ通信は「ウエットスーツを着て泳いだようだ」との消息筋の話を伝えた。

 同通信によると、男性が日本に亡命を求めているとの情報があり、在札幌ロシア総領事館が札幌出入国在留管理局と連絡を取っている。同管理局は総領事館に対し、「現段階で国籍と身元の特定に努めている」などと伝えたという。

 国後島をロシア側で管轄するサハリン州南クリル地区行政府がインタファクス通信に明らかにしたところによると、男性は40歳前後で、沿ボルガ地方ウドムルト共和国のイジェフスク出身。3年前に国後島に移住してきたという。イジェフスクはカラシニコフ自動小銃の生産で知られる。

 男性は、極東地域の土地1ヘクタールを希望者に無償で提供する制度により、国後島の最南部で標津町に最も近いゴロブニノ地区(日本名・泊)に土地を得たという。

 地区行政府のあるユジノクリリスク(日本名・古釜布)の南方42キロのドゥボボエ村などで暮らし、時おりトラクター運転手などをしていたという。

 インタファクス通信に対して行政府関係者は「今月17日に姿が見えなくなり、失踪が疑われたため、家を調べたところ、日本のポスターなどが見つかった。彼は日本文化を愛していた」と説明。「19日になって失踪した彼が根室の近くの標津に現れ、保護された」と話しているという。(大野正美)