新型コロナの「第5波」の中、各地の原発でも感染者が増えている。放射性物質を扱う原発は施設が密閉されており、多くの作業員が集まる。各電力会社は「原発特有の要因ではない」とするが、工事や定期検査が止まって運転状況に影響が及ぶケースもある。
関西電力は11日、「至急」と題したメールを原発で業務に当たる協力会社に送った。「陰性が確認されるまで入構を禁止する」。お盆期間の16日までに、帰省などで原発のある福井県から出る従業員に抗原検査を求め、陽性の場合は速やかな報告を依頼した。
8月、クラスター発生も
関電は「原発銀座」と呼ばれる福井県に美浜、高浜、大飯の各原発を持つ。3原発でこれまでに感染が計70人確認された。うち38人が8月(22日現在)。福井県によると美浜原発で4日に、高浜原発で7日にそれぞれクラスター(感染者集団)が発生した。
運転中の高浜3号機では、足場を組んでいた10人の感染が判明。接触の可能性がある作業員ら約670人にPCR検査をした。14日には工事管理を担う社員ら3人が感染。18日には大飯原発の放射性廃棄物の処理業務を担当している協力会社員1人の感染を確認した。
原発の敷地内では数千人規模の作業員らが働く。美浜原発は3千人、高浜原発は3500人、大飯原発は2500人だ。原発構内外で様々な業務があり、大半は作業着で行う。
全国から数千人の作業員が集まり、時に「3密」の場も生まれるという原発。感染発覚で影響が出るケースもあると言います。
「3密」になるケース
関電の協力会社の社長は「原…

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