金融庁、みずほ銀に報告命令 新たなシステム障害で

西尾邦明、山下裕志
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 みずほ銀行で今年5度目のシステム障害が起きたことを受け、金融庁は22日までに銀行法に基づく報告徴求命令を出した。関係者によると、経緯や原因などを月内に報告するよう銀行側に求めている。問題が繰り返されていることを重く見て、これまでの再発防止策の実効性なども金融庁は検証していく方針だ。

 金融庁が報告を命じたのは、窓口での取引ができなくなったみずほ銀行みずほ信託銀行、両行の親会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)。

 みずほでは2、3月にもシステム障害が相次いでいた。金融庁は複数回にわたって報告命令を出し、集中的に検査を続けてきた。当初はみずほ銀とみずほFGに、銀行法に基づく業務改善命令を出す方針だった。今回新たに障害が起きたことで、金融庁は報告をみずほ側から受け取ったうえで、さらなる対応を検討するとみられる。

 みずほは第三者委員会の報告を踏まえ、システムの総点検などの再発防止策を6月に発表したばかりだった。金融庁は防止策が十分機能していなかった可能性もあるとみて調べる。

 みずほには、新たな障害の原因究明や実効性のある再発防止策づくりが求められる。これまでの障害を受けて、グループの役員11人の減給処分を公表しているが、さらなる責任の明確化が問われる。

 2~3月の障害を受けて、坂井辰史・みずほFG社長は報酬5割減6カ月、藤原弘治・みずほ銀行頭取は同4カ月としていた。4月にみずほ銀行会長へ就任予定だった藤原氏の人事は、トラブル対応を優先して凍結している。坂井氏は20日の会見で、再発防止策の強化が「私どもの責任のあり方」と述べた。

 今回の障害は19日午後9時ごろに発生し、全面復旧は20日正午ごろだった。基幹システムと店舗をつなぐ機器が故障し、バックアップへの切り替えもうまくいかなかった。顧客への周知は20日の営業開始の30分前で混乱が生じた。(西尾邦明、山下裕志)

みずほの歩みと行政処分

みずほの歩みと行政処分

2000年9月

第一勧業・富士・日本興業の3行が経営統合し、みずほホールディングス(現みずほFG)が発足

02年4月

3行をみずほ銀(BK)とみずほコーポレート銀(CB)に再編。みずほ銀発足初日に大規模なシステム障害が発生

  6月

金融庁業務改善命令。旧行頭取らが特別顧問を退任

11年3月

東日本大震災発生後に大規模なシステム障害が発生

  5月

BK西堀利頭取の引責辞任と傘下銀行の合併検討を公表。金融庁業務改善命令

13年7月

BKとCBが統合して今のみずほ銀行が発足

  9月

金融庁が暴力団融資問題で業務改善命令。その後、みずほ銀塚本隆史会長が引責辞任

  12月

金融庁が暴力団融資問題で一部業務停止と追加の業務改善命令。その後、みずほFGの塚本会長が引責辞任。佐藤康博FG社長の頭取兼務を解除し、委員会設置会社に移行

19年7月

新勘定系システム「MINORI(ミノリ)」に移行完了

21年2~3月

ATM障害など4件のシステム障害発生