高畑充希さん「ここで上映できた」 思い出の地で試写会

佐々木達也
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 福島県南相馬市原町区にある、一時閉館された映画館「朝日座」を舞台にした映画「浜の朝日の噓(うそ)つきどもと」(タナダユキ監督)が完成し、11日、朝日座で試写会が開かれた。上映後、主演の高畑充希さんやタナダ監督らが登壇して撮影の思い出などを語った。

 震災とコロナ禍で閉館になりそうな映画館を巡って、亡くなった恩師との再建の約束を果たそうと、高畑さん演じる主人公が館主や地元住民に小さな噓をついてでも守ろうとする物語だ。震災で疲弊する被災者の心情や地域の様子なども描かれている。古今東西映画も取り込まれ、映画愛に包まれた作品にもなっている。

 撮影に使われた朝日座は1923(大正12)年に芝居小屋として開場。その後映画の常設館になり、住民の憩いの場になったが、1991年に閉館した。

 ただ、住民が保存運動に乗り出し、2013年に国指定の登録有形文化財となり、年数回、上映も行われてきた。この朝日座を中心に、県内各所で昨夏、撮影された。

 舞台あいさつで高畑さんは「撮影した1年前と朝日座は何も変わらず、どっしりと存在している。撮影が昨日のことのよう。ここで上映できてうれしい」。タナダ監督も「朝日座が変わらずにあるのは、守ってくれる人がいるからだ」と強調した。

 作品は9月10日の全国公開に先駆け、8月27日に郡山市、9月3日には福島市いわき市映画館で先行公開される。(佐々木達也)