揺らぐ世界秩序 アフガン政権崩壊(6)
「事の成り行きを注意深く追っている」。インドのジャイシャンカル外相は18日、イスラム主義勢力タリバンの攻勢でガニ政権が崩壊したアフガニスタンの情勢について、慎重なコメントに終始した。
アフガニスタンの政権崩壊とイスラム主義勢力タリバンの台頭は、今後の世界のあり方をどう変えていくのか。米国、中国、ロシア、中東、欧州、アジア。それぞれの地域の特派員らが読み解く。
その裏には、今回の事態に対する地域大国インドの「深い懸念」がある。
2001年の米同時多発テロをきっかけにした米英軍などの攻撃で当時のタリバン政権が崩壊すると、インドは米国の後押しでできた新政権を、大規模なインフラ整備や民生分野などで積極的に支援した。
対立してきた隣のイスラム教国・パキスタンを挟み撃ちにできる位置にあるアフガニスタンの政権を「親インド」にすることは、安全保障の上で重要だった。思惑通り、その後の政権は親インド、反パキスタンの姿勢を貫いてきた。
パキスタンと深いつながりがあるとされるタリバンが主導する政権が再びできれば、この構図が一変しかねない。
「一帯一路」、アフガンにも?
インドのもう一つの懸念は…
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