横浜市、IR「申請しない」宣言へ 推進派は力不足謝罪

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足立優心、松沢奈々子、武井宏之
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 22日に投開票された横浜市長選で、争点の一つとなった、横浜港へのカジノを含む統合型リゾート(IR)誘致への賛否。中止を訴えた元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)が初当選したことで、中止となる見通しだ。関係者はこの結果をどう受け止めたのか。

 「早い段階で『横浜市として申請は行わない』という宣言をし、必要な手続きを進めて参りたい」

 当選から一夜明けた23日、山中氏は取材に改めてこう述べた。具体的な時期については「可及的速やかに検討する」。市はIR施設を開発・運営する事業者を公募し、2グループが事業計画を提案。近く市が事業予定者を選定する予定だったが、これについても「ストップすることになる」と語った。

 現職の林文子市長(75)が2019年に誘致を表明してから22日で2年。この日投開票を迎えた市長選には計8人が立候補。「断固反対、即時撤回」と訴えた山中氏は50万6392票を獲得。菅義偉首相自民党市議の大半が支援し、「横浜への誘致をとりやめる」と訴えた元国家公安委員長小此木八郎氏(56)に約18万票差を付けた。

 そもそも市民のIRへの反発は強かった。ギャンブル依存症や治安悪化への懸念に加え、事業者の投資規模やカジノ収益の見通しを市が示さず、財政的なメリットがあるのかどうかも不透明だった。反対する市民らが、誘致の是非を問う住民投票条例の制定を求めて呼びかけた署名活動には19万筆以上が集まり、市に提出されたが、住民投票条例案は市議会で否決された。

 朝日新聞が22日に実施した投票後の出口調査では誘致に「賛成」が26%、「反対」は71%。「反対」の45%が山中氏に投票していた。一方、「賛成」の41%は林氏へ。敗れた林氏は「IRを絶対にやるべきだと言ってきた。選挙戦の終盤、横浜にとって本当に大切なんだということをみなさんが共鳴してくれた」と振り返った。

 IRを推進してきた自民党会派の市議36人のうち、6人は林氏を支援。その一人で菅首相の元秘書でもある渋谷健市議(62)は23日午前、市役所のIR推進室を訪れた。林氏落選について、職員に「申しわけございませんでした」と力不足をわびたという。訪問後、渋谷市議は取材に「(職員は)みんな悔しいだろうな。先週まで一生懸命やっていたんだから。(事業者選定の)最終段階まで来ていたのに」と残念がった。

 誘致の予定地は、横浜中華街

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