挑戦者一力、井山名人は「超えなければならない存在」
大出公二
【動画】挑戦者一力遼、最強王者井山裕太を語る=遠藤啓生撮影
絶対王者か、最強の挑戦者か。第46期囲碁名人戦七番勝負(主催・朝日新聞社、協賛・株式会社 明治、マニフレックス)は、長年にわたり囲碁界の頂点に立つ井山裕太名人に、急伸を遂げた「ポスト井山」の筆頭、一力遼二冠が挑む。天下のゆくえを左右する大勝負が始まる。
メンタルの成長 あのときと違う
名人戦七番勝負に出られることは、非常に光栄です。昨年は井山さんに負けた1敗で挑戦できなかったので、名人戦リーグの全勝は当初からの目標でした。
13歳でプロ入りしたとき、井山さんはすでに名人で、雲の上のような存在でした。その後もトップを走り続け、どれをとっても超一流という印象があります。日本で一番になり、世界で戦うには、超えなければならない存在という認識は今も昔も変わりません。
井山さんとの番勝負は負けっぱなしでした。とくに2017~18年の王座、天元、棋聖3連戦では勝ち星なしの10連敗を喫して、一番つらい時期でした。勝てる碁を落としてリズムを崩し、自信をなくし、他棋戦でもありえないミスや、見せ場のないまま負けることが続きました。
いまはそれなりの状態を保て…