こんなに変わった母子手帳 父や低体重児の親も考慮

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大坪実佳子
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 妊産婦の健康管理のために、約80年前に誕生した「母子手帳」。時代とともに役割は多様化し、最近では「親子手帳」と併記する自治体も出てきている。背景にあるのは、子育てを巡る環境や価値観の変化だ。(大坪実佳子)

 「母子手帳を、親子手帳にしてはどうか」

 6月下旬のさいたま市議会で、三神尊志(たかし)議員(40)はそう提案した。きっかけは、自らの子育て経験だ。

 長男はいま4歳。予防接種や健診などの際、母子手帳を使っている。「母子の健康を守る役割は大切だが、そのためには父親も情報共有が必要。妊娠中から心身の変化を理解することで充実したサポートができるのでは。それを象徴するような名称ならいいのに」と感じていたという。

 産院では息子は「三神ママの赤ちゃん」と呼ばれ、産前産後の手続きの書類には、母と子の名前の記入欄しかないものもあった。「子育ては母が担うものという、社会の潜在意識は根強い。名称の変更ですぐに意識が変わるわけではないが、きっかけの一つになれば」。三神議員の提案を受け、さいたま市では来年4月から配る母子手帳について、「親子手帳」の併記を検討している。

 母子手帳は、妊娠中の経過や赤ちゃんの健診、予防接種の記録を1冊にした日本独自のものだ。全国共通のページと自治体ごとに変更できるページがあり、記入欄は基本的に6歳まで。乳幼児死亡率の高い発展途上国からも注目されている。母子保健法では「母子健康手帳」と呼ばれているが、名称を規定しているわけではない。

時代と共に変わる母子手帳。名称だけでなく、その中身についても様々な議論があります。「誰ひとり取り残さない」。背景には、そんな思いが。記事の後半でご紹介します。

 全国では、2001年に岡山市が全国に先駆け「親子手帳」の名前を採用。愛知県小牧市那覇市福島県いわき市などが採り入れている。表記は「母子(親子)手帳」「親子(母子)手帳」など様々だ。

 東京都江戸川区も、昨年度か…

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