片岡安祐美さん、甲子園での女子決勝に「感動しかない」

伊藤雅哉
[PR]

 社会人クラブチーム「茨城ゴールデンゴールズ」で選手兼監督を務める片岡安祐美さん(34)が、全国高校女子硬式野球選手権の決勝が行われていた阪神甲子園球場を訪れた。

 熊本商時代は男子部員とともに野球部で白球を追い、甲子園にあこがれた。バーチャル高校野球の生中継のゲストとして、初めて聖地でプレーする女子選手たちを見つめた。

 球場に来た瞬間、両チームがアップする姿が目に飛び込んできた。

 「感動しかないです。この甲子園球場に、高くて元気な声が響くことは、今までになかったことですから。これから毎年、こんな姿が見られることを切に願います」

 感慨深げにそう言った。

 片岡さんは野球好きの父の影響で、物心ついたときからテレビで甲子園を見ていた。中学3年の時、実際に父に連れてきてもらって気持ちは固まった。

 女子野球部のある学校からも誘いはあった。男子の野球部に入っても、規定で女子は公式戦でプレーできないことも分かっていた。それでも、「甲子園を目指している人と練習し、甲子園に連れて行ってもらえれば、と思って」入部した。当時はそれが唯一、あこがれの地につながる道だったからだ。

 練習試合も相手チームの了承を得なければ出られなかった。対外試合に出られたのは、3年間で10試合に満たない。2年秋からは記録員としてベンチ入り。誰よりも声を出し、相手校を観察することに自分の役割を見つけた。結局、チームは甲子園に届かなかった。

 現在の全国高校女子硬式野球選手権大会が始まったのは1997年。参加5校でのスタートだった。そこから24年、ついに甲子園への道が開けた。

 この球場で「1打席でも、守備だけでもプレーしたかった」という片岡さんにとっても、ずっと願ってきたことだった。準決勝までも何度か球場に足を運び、この試合を楽しみにしてきた。歴史的な一戦を、ネット裏から見守った。伊藤雅哉

     ◇

 かたおか・あゆみ 1986年、熊本県生まれ。小学3年で野球を始め、熊本商高で男子の野球部に所属。2001年から女子野球日本代表。05年に社会人野球・茨城ゴールデンゴールズに入団し、11年から選手兼監督。