医師と社長の「二刀流」、金型メーカー3代目の挑戦

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三浦惇平
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 医師として働きながら、金型メーカーを経営する社長がいる。愛知県の会社と、大分県の病院の二つの拠点を飛び回る。「二刀流」のキャリアを生かし、熟練の技術を、異分野へと展開させている。

 愛知県清須市の「エムエス製作所」の工場では、千分の1ミリ単位にまで対応した機械で、金属を削り込む。そこでつくられているのは「金型」だ。金型は、金属や樹脂、ゴムといった素材を成形するために、多くのものづくりの現場で使われる。主力製品は、自動車のドアや窓枠に使われるゴム製品「ウェザーストリップ」の金型だ。つくった金型は、トヨタ自動車系部品大手などに供給する。従業員は約40人ながら、中国やインド、インドネシア、タイ、メキシコにも拠点を広げてきた。

 昨年10月、この会社の3代目社長として迫田邦裕さん(42)が就任した。今年は創業50年となる。いまも循環器内科医として、心臓カテーテル手術で心筋梗塞(こうそく)などの治療にあたる異色のキャリアを持つ。

 週2日は、医師として働く。月、火曜の仕事場は、清須市から約500キロ離れた大分県国東市の「あおぞら病院」。カテーテル手術では、腕や脚の付け根から血管にカテーテル(管)を挿入して治療する。国東市で唯一の術者として、年間400件近い検査と、約60件の手術をする。最近は、新型コロナウイルスのワクチン接種も仕事に加わった。手術の合間を縫って、社長としてオンライン会議に参加。火曜夜のフライトで愛知県へ降り立つと、水~金曜は出社して仕事をする。

敷かれたレールへの「抵抗感」

 医師を志したのは、「3代目…

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