アフガン元英軍通訳ら、退避求め嘆願「置き去りなのか」

アフガニスタン情勢

ロンドン=金成隆一
【動画】アフガン元英軍通訳ら、現地に残る仲間らの退避求め抗議活動
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 アフガニスタンからの米軍の撤退期限が今月末に迫る中、英国で暮らす元英軍通訳らが23日、英政府前で抗議活動を行った。イスラム主義勢力タリバンが権力を掌握する中、家族や友人を現地に残しており、一人でも多くを国外退避させるよう英政府に求めた。

 ロンドン中心部にある英内務省前には、アフガニスタン出身者ら40人ほどが集まり、「私たちの愛する人々を救出することもできたのに、それをしないで、あなたたちは今後どうして生きていけるのですか?」「時間がない。英政府には愛する人々を守ってほしい」などのメッセージを掲げた。

 ロンドン近郊の食料品店で働く、元英軍通訳のザヒールさん(39)は、「最後の通話で弟に『兄さん、助けてくれ』と何度も言われた。私には、ここで政府に嘆願するしかできない」と疲れ切った様子で語った。首都カブールの陥落後、同じく英軍の通訳だった弟と連絡を取ってきたが、3日前を最後にネットが接続できなくなった。心配で寝付けないという。

 弟は「英軍への協力者は家族ごと殺されてしまう」とおびえきっていた。妻と子ども3人がいる。英国から退避の許可を得るには英軍で働いた証明書を空港に持参する必要があるが、空港までにタリバンの検問があり、「証明書を持って外に出られない」と悩んでいたという。

 ザヒールさんは自らが同行通訳だったときの写真を見せながら「一緒に危険地域に赴いた通訳を置き去りにできるのか」と訴えた。

 ウォレス英国防相は23日、カブールの空港に約6千人の部隊を駐留させているのは米国であると指摘した上で、米軍撤退後は「英国も撤退しなければならなくなる」と述べた。英メディアによると、ジョンソン首相は24日の主要7カ国(G7)首脳会議で、撤退期限の延長をバイデン米大統領に求める方針だという。(ロンドン=金成隆一)