満塁機で走者一掃 大阪桐蔭・宮下、けがから復活の一打

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(23日、高校野球選手権大会 近江6-4大阪桐蔭)

 一回2死満塁。宮下隼輔君(3年)に打順が回ってきた。「とにかく先制点がほしい。2アウトだし思い切りいこう」と打席に立った。狙っていたスライダーを振り切ると、打球は左翼手の頭を越えた。走者一掃の二塁打になった。宮下君はベースの上で手をたたいて喜んだ。

 愛知県出身。中学生のとき、大阪桐蔭が2017年の春の選抜大会を制し、夏の甲子園でも躍動する姿をテレビで見て憧れ、進学を決めた。

 広角に打ち分けられる打撃が持ち味で、昨夏の甲子園であった交流試合では、2年生ながら三塁7番でスタメン出場した。新チームになってからは1番や3番など上位打線に座り、強打の大阪桐蔭を引っ張ってきた。

 だが、今年の夏、練習試合で三塁の守備中にけがした。打球を捕ろうと飛び込んだ。左ひざを打ち、立ち上がろうとしたが力が入らなかった。後十字靱帯(じんたい)の部分断裂だった。

 夏の大阪大会は、テーピングでひざを固定して出場した。何とかバッティングはできたが、ひざを曲げられない状態だった。打順も6番になった。「自己管理の甘さでもある。任されたところでやるしかない」と踏ん張った。5試合に出場したが、12打数2安打、打率1割6分7厘。「全然打てなかった。けがもしていてずっとチームに迷惑をかけた。何とか甲子園では活躍しよう」と挑んだ大会だった。

 この試合は4打数2安打と活躍。六回には敵失がついたが、ヒット性の当たりで二塁まで進塁した。

 三塁の守りでもみせた。八回裏、バントで浮いた球に飛び込んで捕球した。「2年の川原(投手)ががんばっていたので守備で盛り上げたかった」。けがを感じさせない動きで球場を沸かせた。

 日本一を目指した大会だった。敗戦後も表情は穏やかだった。「最高の仲間と最高の舞台で終われたのはうれしい。甲子園は自分たちを成長させてくれる場所だった」