トイレ「男女共用1個」でも十分? 厚労省の説明に疑問

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根岸拓朗
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 働く人が10人以内の小規模な事務所であれば、トイレは「男女別々」でなく、「共用1個のみ」でもかまわない――。会社などのトイレに関する規則を厚生労働省がそんなふうに変えることを決めた。なぜなのか。

 朝日新聞社会部の情報提供窓口に7月、岐阜県の女性から「厚労省が省令を改悪しようとしています」というメールが届いた。

 メールで指摘されていたのは、労働安全衛生法にもとづく「事務所衛生基準規則」。事務所の換気や空調、明るさ、トイレの数などについて、事業者が守らなければならない基準を定めたものだ。

50年前のルールを見直し

 トイレの基準はこんな内容だ。

 まず「男性用と女性用に区別」したうえで、男性の大便用トイレは「60人ごとに1個」、小便用は「30人ごとに1個」。女性用トイレは「20人ごとに1個」が必要だとしている。

 つまり男女で分けることを前提として、もし女性の労働者が1人いれば、女性用を設置しなければならないとの内容だ。約50年前に定められた。

 厚労省は昨年8月、衛生基準規則について専門家による検討会で見直し議論を始めた。「働き方改革関連法」が成立し、職場環境の改善のため、関係する規則も見直すことになったためだ。検討会は今年3月に報告書をまとめた。

 報告書は、少人数の事務所のトイレについて「建物の構造上、一つしか設けられていないことがあり、男女で区別して設置するのが困難な場合もある」と指摘。検討会の議論ではトランスジェンダーの人などを念頭に、性別にかかわらず誰でも使えるトイレの大切さも指摘された。

 結論として、報告書は「男女…

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