失明、絶望、その先の自由 ブラサカが教えてくれたこと

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井手さゆり
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 アイマスクを着け、音が鳴るボールと声を頼りにゴールを目指すブラインドサッカー。26歳で初めて日本代表に選ばれ、主将も経験した落合啓士さん(44)は、昨春現役を引退し、Jリーグの松本山雅FCが立ち上げたチームの監督を務めている。

 横浜市出身。「キャプテン翼」に憧れたサッカー少年は、10歳で目の難病「網膜色素変性症」と診断され、18歳で失明した。「もう生きていけない」と思い、自宅近くの歩道橋から飛び降りようと思い詰めたこともある。だがブラインドサッカーと出会い、国際大会で日の丸をつけ国歌を歌った時、子どもの頃の夢がかなったと思うとともに、見えない自分を受け入れられるようになった。嫌だった白杖(はくじょう)を堂々と使えるようになった。

 競技の魅力を「ピッチの中に自由がある」と表現する。ドリブル、パス、シュート。走る方向も速さも自分で決める。そして「自分を知る競技」とも。2秒で何メートル走れるか。ターンの角度は正確か。感覚と現実のずれが少ないほど自由になれる。「走り回るなんて街中では絶対にできないから」と笑う。

 代表から外れたことを機に一線を退き、競技全体を底上げするため、長野から選手を育てる道を選んだ。ブラインドサッカーのクラブチームは全国に約30あるが、強豪は首都圏に集中している。「その現状を変えたい」という。

 練習では、選手の声やボール…

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